「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」 4・19院内集会アピール

「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」 4・19院内集会アピール

 私たちは国に対し、人種差別撤廃条約に基づきヘイトスピーチをはじめとする人種差別を撤廃する政策を策定すること、その出発点として人種差別撤廃基本法をただちに制定することを求めて、昨年来、4回の院内集会を開いてきた。昨年5月に提出された野党の「人種等の差別の撤廃に関する施策の推進に関する法案」は、基本法案として大きな意義を有している。

 他方、今回提出された与党の「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」は、反差別法ではあるものの、対象を外国出身者、かつヘイトスピーチ対策に限定した内容である。
 それでも、日常的にマイノリティに対する虐殺さえ煽るヘイトスピーチが蔓延し、ヘイトクライムが各地で起きている今、ヘイトスピーチ対策法を作る緊急性は大きい。
 私たちは、人種差別撤廃条約上の義務の履行として、かつ、人種差別撤廃基本法の制定に向けたステップとして、今国会でまずヘイトスピーチ対策法を成立させることを求める。

 ただし、与党法案は、対象を外国出身者、なかでも「適法に居住するもの」に保護の対象を限定しており、非正規滞在者への差別的言動にお墨付を与える点は、人種差別撤廃条約に違反するものであり、私たちはとうてい認めることはできない。
 その削除を不可欠とした上で、人種差別撤廃条約の理念に基づく実効性ある法にするため、最低限、下記の是正を求める。

1. 法目的に「人種差別撤廃条約の理念」との文言をいれる。
2. 差別的言動の禁止条項をいれる。
3. 「差別的言動」の定義については、
  ・対象を、条約の文言通り「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身」にする。
  ・「著しく侮蔑する」場合も含める。
  ・「地域社会」からの排除に限定せず、「社会」からの排除にする。
4. 地方公共団体の責務を、努力義務ではなく、国と同じ責務とする。
5. 定期的な差別の実態調査を行う。
6. 被害者の意見を聴く条項をいれる。
7.インターネット対策を入れる。
8.人種差別撤廃教育の対象として、公務員、特に警察を明記する。
9.差別撤廃の取り組みを検証し推進する審議会を設置する。

 私たちは日本に住み暮らすすべての人びとの総意として、上記の点を踏まえたヘイトスピーチ対策法を実現するよう、立法府に求める。

2016年4月19日
「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」院内集会 参加者一同

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[5/22] 外国人人権法連絡会 「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律(案)」に対する声明

「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律(案)」に対する声明

2015年5月22日
外国人人権法連絡会
共同代表 田中宏 丹羽雅雄 渡辺英俊

 本日2015年5月22日に民主党、社民党及び無所属の議員が参議院に提出した「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律(案)」(以下「本法案」)は、人種等を理由とする差別の撤廃が重要な課題であることを明言し、このための施策を推進する初めての法案です。国が、人種等を理由とする差別が許されないことを宣言し、それをなくすための施策を進める方針を明確にすることは、この問題に取り組む貴重な第一歩となり、大きな意義を有すると考えます。

本法案は、特に以下の点で評価することができます。

▼人種差別撤廃条約の理念に基づき、人種等を理由とする差別の撤廃のための施策を推進することを目的として掲げ(1条)、条約で求められている、国と地方公共団体が人種差別を撤廃する政策を策定し、実施する義務を法律上の責務として明記した点に意義があります。日本は1995年に同条約に加入して以降、20年もの間、定められた義務をほとんど実施して来ませんでした。本来加入時点で作るべきだったものですが、この法律が成立することにより、人種差別撤廃条約の義務を果たすスタートを確実に切ることができます。

▼人種等を理由とする差別の禁止の基本原則を明示し(3条)、なかでも、現行法では違法ではない不特定の者に対する公然となされる不当な差別的言動を差別として禁止したこと(3条2項)は画期的です。「朝鮮人を皆殺しにしろ」「Japanese Only」などの不特定の者に対するヘイト・スピーチは差別として許されないと国が非難していることが明確になるからです。このような宣言自体、一定の抑止効果があり、また、差別の被害者に対して国が被害者の側に立つスタンスを明らかにする意味があります。さらに、許されないヘイト・スピーチを実際に抑止し、被害者を救済するための取組みを具体化する出発点となります。

▼6条において、人種差別撤廃が国のみならず、地方公共団体の責務であることを明記したことにより、地方公共団体がそれぞれ人種差別撤廃・禁止条例を制定したり、公共施設を人種差別行為に使わせないよう利用条例のガイドラインを作ったり、地域におけるマイノリティの状況に合わせた人種差別撤廃教育に取り組むなどの施策を促進するでしょう。

▼政府は人種等を理由とする差別の防止に関する基本方針を定め(7条)、講じた施策についての年次報告を国会に提出しなければならないとしたこと(9条)も意味があります。この法律ができれば、政府は人種差別撤廃政策を策定するのみならず、それを具体化し、かつ、その実施状況のチェックを受けることになるので、人種差別撤廃政策を確実に進める制度的保障となりえます。

▼国は人種等を理由とする差別の実態調査を行わなければならないとしたこと(18条)は大きな意味があります。人種差別撤廃政策を策定するための大前提となるからです。国連人種差別撤廃委員会から2001年、2010年、2014年と毎回実態調査を行うよう勧告されてきましたが、この法律によりやっとはじめて国が実態調査を行うことを確実化できます。

▼国及び地方公共団体は、施策の策定及び実施にあたり、差別の被害者等の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとしたこと(19条)は重要です。例えば、前述の差別の実態調査を行う際にも、どのような調査を行うことが必要なのか、調査の制度設計の段階から差別の被害者の意見を聴くことが必要ですし、差別の被害者の協力なしに正確な調査結果を得ることはできないからです。

▼内閣府に人種等差別防止政策審議会を設置し、本法の担当省庁を内閣府としたこと(20条)も重要です。人種差別は、法案第4条の指摘するように、「職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野」における問題ですから、全省庁があげて取り組むべき課題です。したがって、「広範な分野に関係する施策に関する政府全体の見地からの関係行政機関の連携の確保を図るとともに、内閣総理大臣が政府全体の見地から管理することがふさわしい行政事務の円滑な遂行を図ることを任務とする」内閣府(内閣府設置法第3条)が担当すべきだからです。

▼第三章による人種等差別防止政策審議会の設置は、この法案の肝ともいうべきところでしょう。行政から一定程度独立した「人種等を理由とする差別の防止に関し学識経験を有する者」による専門機関を新設し、そこが基本方針作成などの重要事項を調査審議し、内閣総理大臣などに意見を述べることができることにより、より公正で的確な政策を担保しようとする点を評価できます。

このように法案は基本的に評価できる一方で、次の改善すべき点があります。

▼被差別者の尊厳を守る目的の明確化(1条ほか)
本法案は、人種等を理由とする差別の撤廃とは、人種等を異にする者が「相互に人格と個性を尊重し合いながら」共生する社会を実現することを意味するとしています(1条)が、日本社会に現在蔓延するヘイト・スピーチをはじめとする人種差別が在日コリアンなどのマイノリティの人権を侵害している現状から出発すれば、「相互に」尊重するというより、被差別者の尊厳を守ることが重要であることを明確化すべきです。

▼差別の定義の明確化(2条、3条)
差別の定義は、何が差別となるかの範囲を画するために重要ですが、本法案の定義は、「不当な差別的取扱い」「不当な差別的言動」として、何が「不当」であるのか、「差別」そのものの定義を示しておらず、判断基準として不十分です。すでに国内法となっている人種差別撤廃条約第1条第1項の「人種差別」の定義である「あらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」を条文に明記すべきです。

▼「著しく不安若しくは迷惑を覚えさせる目的」は不明確(3条2項)
不特定の者についての不当な差別的言動の定義において、「著しく不安若しくは迷惑を覚えさせる目的」を要件の一つとしていますが、きわめて曖昧で、広い解釈が可能であり、表現の自由に対する過度な規制に結び付く危険があります。例えば「侮蔑若しくは威嚇する目的」に修正すべきです。

▼審議会の委員の任命は両議院の同意を要件とすべき(21条2項)
審議会の委員は内閣総理大臣が任命することとされていますが(21条2項)、両議院の同意を要件とすべきです。人種差別の問題は全社会的な重要な政策課題であり、また、制度的・公的な差別の見直しも重要な課題であることに鑑みると、政府からの一定の独立性・中立性を確保する必要があるからです。

▼審議会に差別の被害者を入れるなど意見を反映させるべき(21条2項)
差別の実情を踏まえた調査審議を行うためには、審議会の委員の構成の多元性を確保することが重要です。したがって、例えば委員の構成について、障がい者基本法第33条2項のように、差別の被害者を委員にしたり、多様な被差別者の意見を聴き、差別の実情を踏まえた調査審議を行うことができることとなるよう配慮することを条文に入れるべきです。

以上の問題点の修正を含め、本法案について国会で真摯な検討がなされ、1日も早く、人種差別撤廃のための法律が制定されることを強く求めます。

[パブリックコメント・4月12日まで] 「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)

「大阪市ヘイトスピーチの対処に関する条例案要綱(案)」の意見募集結果を公表します
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000309374.html

大阪市では、4月12日(日)まで、「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)」へのパブリックコメントを募集しています。

特設ページ~大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)についてご意見をお寄せください~
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000299848.html

「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)」(概要)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000299/299848/youkouangaiyou.pdf

大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000299/299848/joureianyoukouan.pdf

大阪市電子申請・オンラインアンケートシステム
https://s-kantan.com/city-osaka-e-shinsei-u/profile/userLogin_initDisplay.action?nextURL=CqTLFdO4voZD9uOPm3NmajQ9f2VYJzSnJzDlzpO6DymoM%2Bzr5%2Bu66fZGGdF2ik2SKXS%2BhLJRFeFs%0D%0AKTyW032Ql3UrNvJWF1JySYbmbX7brNI7%2FgSfkWZW6GAeyrDtPo1ce7pKL8tYBZU%3D%0D%0A

2014年9月3日、大阪市人権施策推進審議会に、「憎悪表現(ヘイトスピーチ)」に対する大阪市としてとるべき方策について諮問がありました。

これを受けて、大阪市人権施策推進審議会は、「憎悪表現(ヘイトスピーチ)」に対する大阪市としてとるべき方策検討部会を立ち上げ、審議会を2回、検討部会を6回開催し、答申がとりまとめられました。

大阪市人権施策推進審議会からの答申について~ヘイトスピーチに対する大阪市としてとるべき方策について~[2015年2月25日]
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000299917.html

この答申を受けて、条例化に向けた検討が進められ、「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案要綱(案)」が取りまとめられて、3月13日~4月12日までパブリックコメントを募集しています。

「憎悪表現(ヘイトスピーチ)」に対する大阪市としてとるべき方策について諮問書(2014年9月3日)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/simonsyo.pdf

「憎悪表現(ヘイトスピーチ)」に対する大阪市としてとるべき方策検討部会

第1回会議要旨(2014年10月3日開催)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/bukai01yousi.pdf

第2回会議要旨(2014年10月31日開催
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/bukai02yousi.pdf

第3回会議要旨(2014年11月14日開催)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/3yousi.pdf

第4回会議要旨(2014年12月12日開催)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/4bukaiyousi1.pdf

第5回会議要旨(2014年12月26日開催)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/5bukaiyousi.pdf

第6回会議要旨(2015年1月16日開催)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/6bukaiyousi.pdf

第29回人権施策推進審議会(2014年12月19日開催)

会議要旨
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/29yousi.pdf

会議録
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/dai29kaigiroku.pdf

第30回人権施策推進審議会(2015年2月10日開催)

会議要旨
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/30kaiyousi.pdf

各会議での配布資料は、要旨や会議録とともに、人権施策推進審議会のページに掲載されています。

大阪市人権施策推進審議会
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000007141.html

【参考】

●大阪市、ヘイトスピーチ対策のための条例案要綱(案)の意見募集(3月13日~4月12日)
[一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)]
http://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2015/03/313412.html

答申で明記されていたいくつかの対策が要綱(案)には具体的に言及されていない措置もあります。
たとえば、インターネット上に掲載されたヘイトスピーチに対するサイト管理者への削除要求は、市民が単独で行うよりも市が協力するほうがより効果的だという観点を踏まえて、事案の内容に即した柔軟な支援策を実施するということです。
また、憲法が保障する表現の自由の側面などから、ヘイトスピーチを理由とする公の施設の利用制限は困難としつつ、施設の管理条例の利用制限事由に該当することが明らかに予見される場合は利用を制限することもあり得るという点についてです。
要綱(案)では、「拡散防止の措置」「訴訟等の支援以外の支援」といった枠組のみにとどまっています。

●「いっしょにつくろう!大阪市ヘイトスピーチ規制条例」が提出したパブリックコメント 2015年4月12日
https://www.facebook.com/NoHateOsaka/posts/765653173555139

●「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例要綱(案)への意見」 2015年4月12日
一般社団法人日本雑誌協会 人権・言論特別委員会委員長 田近正樹
http://www.j-magazine.or.jp/doc/opinion_007.pdf (PDF)

一般社団法人日本雑誌協会 「大阪市ヘイトスピーチ条例要綱(案)への意見書及び要旨」 2015年4月12日
http://www.j-magazine.or.jp/opinion_007.html

[News] 京都朝鮮学校襲撃事件 民事訴訟の判決確定

2014年12月9日、在特会、主権回復を目指す会、チーム関西のメンバーらに対して、最高裁が上告を棄却し、京都朝鮮学園に約1200万円の賠償を命じる民事訴訟の判決が確定しました。

在特会による京都朝鮮学校襲撃事件 控訴審判決文 他  7月8日大阪高裁
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/7e81a3afc7dce2827aeda19a7be2553e

【参考】
京都地裁判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=83675

[国内で報道された主なニュース](日本語)

「朝鮮学校前でのヘイトスピーチめぐる訴訟、在特会の敗訴確定」 News i – TBSの動画ニュースサイト
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2369337.html

ヘイトスピーチに1200万円の賠償 在特会の上告棄却 – テレ朝news
http://5.tvasahi.jp/000040357 

朝鮮学校へのヘイトスピーチ 禁止命じた判決が確定 NHKニュース
http://nhk.jp/N4Gk5oqW
1審と2審はいずれも「著しく侮辱的、差別的な発言を伴うもので人種差別に当たり違法だ」と判断し、学校周辺での街宣活動の禁止と1200万円余りの賠償を命じました。

在特会への賠償命令確定 京都の朝鮮学校にヘイトスピーチ – 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014121001001538.html 
10日までに在特会側の上告を退ける決定をした。約1200万円の賠償と朝鮮学校周辺での街宣活動禁止を命じた二審大阪高裁判決が確定した。

時事ドットコム:ヘイトスピーチで賠償確定=在特会の上告退ける-最高裁
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121000521 
二審大阪高裁も、同条約上の人種差別に当たると認定。「表現の自由によって保護される範囲を超えているのは明らかだ」などと指摘し、在特会側の控訴を棄却した。

時事ドットコム:「毅然とした態度を歓迎」=最高裁決定受け朝鮮学園側-京都
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121000844 
京都朝鮮学園は10日、「在日朝鮮人の民族教育の実践と、そこで学ぶ子どもたちの安全を守ろうとする日本司法の毅然(きぜん)とした態度の表れとして歓迎する」

在特会への賠償命令確定 最高裁 京都の朝鮮学校近くでヘイトスピーチ – 産経ニュース
http://www.sankei.com/west/news/141210/wst1412100043-n1.html 
一審「在日朝鮮人への差別意識を世間に訴える意図があり、人種差別に当たる」と街宣の違法性を認定。二審「民族教育をする利益を妨害した」と指摘

ヘイトスピーチ、賠償確定…在特会の上告棄却 : 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141210-OYT1T50093.html
「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図があった」と指摘し、同学園の業務を妨害して名誉を傷つけたと認定。ネット公開によって被害の拡散、再生産の恐れを生じさせたとも言及した

ヘイトスピーチ:在特会の賠償確定 最高裁が上告棄却 – 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20141210k0000e040212000c.html

ヘイトスピーチ : 「司法の毅然さ歓迎」 京都朝鮮学園 – 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20141211k0000m040137000c.html 
弁護団の冨増四季弁護士は「今回の司法判断にとどまらず、今後、教育や職場などあらゆる機会を通じ、民族差別をなくす取り組みを続けていく必要がある」と話した。

在特会への賠償命令確定 京都の朝鮮学校にヘイトスピーチ – 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20141210000101
原告側は10日に会見。「大きな傷を負い司法の判断がどうなるか不安だった。差別を許さない社会の認識が広がってほしい」「民族教育を保障し子どもたちの未来につながる決定」

ヘイトスピーチ、在特会の損賠責任認める 最高裁 :日本経済新聞
http://s.nikkei.com/1z6AXw9 
「裁判官5人の全員一致の判断。人種や国籍で差別するヘイトスピーチの違法性を認めた判断が最高裁で確定したのは初めて。法規制の是非などが議論になりそうだ。」

【8/8】 声明 『石破茂自民党幹事長の発言は本末転倒 直ちに撤回せよ』 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

自民党の石破幹事長が「朝日新聞」の報道と関連しておこなった一連の発言に対し、日本軍「慰安婦」解決全国行動は以下のような声明を出しました。

石破茂自民党幹事長の発言は本末転倒

直ちに撤回せよ

85日付『産経新聞』によると、

1.自民党の石破茂幹事長は5日、「国民の苦しみや悲しみをどう解消するかだ。わが国だけでなく、取り消された報道に基づき、日本に怒りや悲しみを持っている国、韓国に対する責任でもある」と指摘したと言う。

 これは、本末転倒な論理である。

石破氏は、日本軍「慰安婦」問題に関する『朝日新聞』報道が「日本国民に苦しみや悲しみ」を与えたと言いたいようだが、「日本国民に苦しみや悲しみ」を与える行為を行ったのは、かつての日本軍である。また、「韓国に対する責任」を負うのは、日本政府である。

私たちは、『朝日新聞』が「慰安婦」「問題の本質は、軍の関与がなければ成立しなかった慰安所で、女性が自由を奪われ、尊厳が傷つけられたことにある」と、正しい見解を改めて表明したことを歓迎する。

 

2.石破氏は、「有力紙たる朝日新聞が吉田(清治)氏という人の証言に基づき、慰安婦問題を世論喚起し国際的な問題となってきた。それを取り消すなら、今までの報道は一体何だったのか」 と批判したという。

 これも、日本軍「慰安婦」問題の国際世論化の原因を理解していない発言である。

 日本軍「慰安婦」問題が世論喚起され国際的な問題になったのは、第一に、被害女性自らの勇気ある告発によるものである。第二に、「官憲による暴力的な強制連行」がなければ日本政府に責任はないと主張してきた日本政府自らが、国際世論の常識を刺激したのである。国際世論の常識は、女性たちが意に反して軍人たちの性の相手をさせられたのであれば、たとえ連行過程が人身売買であれ、甘言によって本人たちが了解して行ったものであれ、それは女性に対する重大な人権侵害だと見なしているのである。

 「吉田清治証言によって『慰安婦』問題が世論喚起され国際的な問題になった」というのは、事実に反する根拠なき言説である。このような言説を意図的に流布して「事実化」しようとする行為に政治家が加担することは断じて許されない。

 

3.石破氏は、「検証を議会の場で行うことが必要かもしれない」「地域の新しい環境を構築するために有効だとすれば、そう いうこと(国会招致)もあるだろう」と述べたと言う。

メディアに対し、これほど露骨に政治的圧力をかけることが、果たして許されるのだろうか。多くの市民が不安と恐怖、危機感を感じたに違いない。今、政治がなすべきことはこのようなことではなく、一刻も早く日本軍「慰安婦」問題解決のための積極的な案を提示することである。それこそが「地域の新しい環境を構築するために有効」な行為になるであろう。

 

4.石破氏は、「真実が何かを明らかにしなければ平和も友好も築けない」と述べた。

この言葉には、心から同意する。この言葉に則って、日本政府自ら真実を明らかにし、認め、謝罪し、賠償することを求める。

 

201488

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

 

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【6/26】 『河野談話検証結果に対する声明』 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

河野談話検証結果に対する声明

安倍首相は被害者が望む解決策を示すため知恵を絞れ

安倍政権は6月20日、河野談話作成過程に関する検証結果を発表した。報告書によると、韓国政府は「内容は日本政府が自主的に決めるものであり、交渉の対象にする考えは全くない」という考えを表明しており、日本政府も「歴史的事実を曲げた結論を出すことはできない」という姿勢を貫いている。このような基本姿勢に立って、双方が問題解決のため外交努力をした痕跡が見てとれる。外交当局としては当たり前のことをしていたという予想どおりの結果といえよう。

1.河野談話は、収集された資料等に基づいて、日本側の判断で書かれていたことが明確になった。

「談話の原案は、聞き取り調査(1993年7月26日~30日)の終了前の遅くとも1993年7月29日までに、それまでに日本政府が行った関連文書の調査結果等を踏まえて既に起案されていた」と報告書は述べている。

「慰安婦」被害者への聞き取り調査については、「事実究明よりも、日本政府の真摯な姿勢を示すこと、元慰安婦に寄り添い、その気持ちを深く理解することにその意図があった」とし、「聞き取り調査が行われる前から追加調査結果もほぼまとまっており、聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた」ことが明らかにされた。

「元慰安婦16人の証言だけに基づいて募集時の強制を認めた」と決めつけ、談話の検証と見直しを求めてきた勢力の論拠が見事に覆されたのである。

報告書は「日本側では、加藤官房長官発表以降も引き続き関係省庁において関連文書の調査を行い、新たに米国国立公文書館等での文献調査を行い、これらによって得られた文献資料を基本として、軍関係者や慰安所経営者等各方面への聞き取り調査や挺対協の証言集の分析に着手しており、政府調査報告も、ほぼまとめられていた」としている。

「業者に対しても軍の『指示』があったとの表現」を韓国側が求めたのに対して最後まで日本側が受け入れない等、最終的に談話の文言は、収集された資料等に基づいて、日本側の判断で書かれていたことが、より明確になった。

2.日本軍「慰安婦」問題の本質的な問題は「強制連行」ではない。

「一連の調査を通じて得られた認識は、いわゆる「強制連行」は確認できないというものであった」と報告書は述べている。

しかし、河野談話の根拠となった公文書の中には、当時法務省が所蔵していた「バタビア臨時軍法会議の記録」があり、そこには「ジャワ島セマランほかの抑留所に収容中であったオランダ人女性らを慰安婦として使う計画の立案と実現に協力した」「部下の軍人や民間人が上記女性らに対し、売春をさせる目的で上記慰安所に連行し、宿泊させ、脅すなどして売春を強要するなどした」等の記述がある。これは、安倍首相の言う「狭義の強制連行」をも立証するものである。

朝鮮半島からの連行については「狭義の強制連行」を示す公文書が見当たらなかったという理由で、「強制連行は確認できない」という結論を導いているが、これは当時から日本政府が「官憲による暴力・脅迫を用いた連行」のみを「強制連行」と位置づけていたことを示している。このような見方が現在も日本軍「慰安婦」問題の本質を伝える上で障害になっていることを考え合わせると、当初からの政府の認識が現在の混乱を招いたともいえる。改めて言うが、誘拐・拉致・人身売買なども本人たちの意に反した連行であり、強制連行以外の何ものでもない。

さらに重要なことは、日本軍「慰安婦」制度の本質が連行の強制性にあるのではなく、女性たちを居住の自由、外出の自由、廃業の自由、拒否する自由のない強制的な状況の下に置いて、戦争遂行の道具と見なした人権侵害行為にあったという点である。

これは、すでに国際的常識であり、たとえ「狭義の強制連行」がなかったことを立証できたとしても、世界の認識は変わらない。むしろ、これを主張することによって、日本は21世紀の今日に至ってもなお人権意識のない国と世界から見られてしまうのである。

「日本の名誉を著しく毀損」しているのは河野談話ではなく、「強制連行はなかった」と主張して人権意識のなさをさらけ出している人々である。むしろ、河野談話はかろうじて日本の面目を保っている貴重な財産というべきであろう。

3.安倍首相は近隣諸国との関係改善のため努力せよ。

今、改めて思う。安倍政権がこの検証を通して得たかったものは、一体何だったのだろうかと。結果の如何に関わらず見直しはしないという前提で、作成過程のみを対象におこなわれた検証は、当初から目的が何なのか首をかしげざるをえないものだった。

報道によると、事前に当時のやりとりを読んでいた首相は、「当時の外交交渉を明らかにすることで、朴大統領が慰安婦問題で日本に『誠意ある措置』を求め続けるのは『議論の蒸し返しだ』とアピールする狙い」を持っていたという。また、ある政府高官は「当時はお互いに了解し、未来志向のため政治決着したことを確認するものだ」と「期待」を示したという。

これが本当だとしたら、その幼稚な発想に呆れてしまう。大人なら、相手との関係をスムーズにするために、何をすればいいかと知恵を絞るものだ。これは、過去の言質をつきつけて、相手をぎゃふんと言わせて黙らせようとする、子どものけんかレベルの話である。

韓国政府は20日、早速遺憾の意を表明した。当然である。日本側からの提案でやりとりを伏せていたのに、日本側が一方的に約束を破ったのだ。韓国政府は「検証結果の細部の内容に対するわれわれの評価と立場を別途明らかにし、国際社会と共に適切な措置をとる」と言明した。黙らせるどころか、逆に火を付けた格好だ。

思えば、これは安倍政権の一貫した外交姿勢である。就任後、韓国および中国との二国間首脳会談がなかなか実現できない安倍首相は、「わが方は対話を呼びかけている」と強調する一方で、侵略否定発言、靖国神社参拝など次から次へと相手が会談に応じられない条件づくりをしてきた。今回も、やっと日韓局長級協議が始まり軌道に乗ろうとするタイミングで、この所作である。相手が応じにくい条件をつくっておいて「呼びかけ」、「わが方は努力している」と胸を張って見せる。これではいつまで経っても、近隣諸国との関係はうまくいかない。

4.第12回アジア連帯会議の提言を受け入れ、一日も早く日本軍「慰安婦」問題を解決せよ。

私たちは、被害国7ヵ国と共に、第12回アジア連帯会議を開き、日本軍「慰安婦」問題の全体的解決のための提言をまとめて、6月2日、日本政府に手渡した。また、この提言で認めるべきとした事実を裏付ける資料53点と、河野談話発表後に民間の努力で発掘された公文書等の資料529点も合わせて提出した。

これらの資料を適正に検討すれば、河野談話の段階では認めなかった事実、すなわち「業者に対しても軍の『指示』があった」こと等を明確に認めることができるはずだ。被害者たちは、河野談話が曖昧にした日本政府と軍の責任をより明確にし、事実をより具体的に認めて謝罪し、賠償することを願っている。つまり、河野談話を見直すのではなく、維持発展させることで、日本軍「慰安婦」問題の最終的解決をはかることができるのである。

安倍首相は、第12回アジア連帯会議の提言を真摯に受け止め、高齢化した被害者たちをこれ以上待たせることなく、被害者に受け入れられる真の解決策を一刻も早く示すよう改めて要求する。

2014年6月26日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

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