「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」 4・19院内集会アピール

「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」 4・19院内集会アピール

 私たちは国に対し、人種差別撤廃条約に基づきヘイトスピーチをはじめとする人種差別を撤廃する政策を策定すること、その出発点として人種差別撤廃基本法をただちに制定することを求めて、昨年来、4回の院内集会を開いてきた。昨年5月に提出された野党の「人種等の差別の撤廃に関する施策の推進に関する法案」は、基本法案として大きな意義を有している。

 他方、今回提出された与党の「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」は、反差別法ではあるものの、対象を外国出身者、かつヘイトスピーチ対策に限定した内容である。
 それでも、日常的にマイノリティに対する虐殺さえ煽るヘイトスピーチが蔓延し、ヘイトクライムが各地で起きている今、ヘイトスピーチ対策法を作る緊急性は大きい。
 私たちは、人種差別撤廃条約上の義務の履行として、かつ、人種差別撤廃基本法の制定に向けたステップとして、今国会でまずヘイトスピーチ対策法を成立させることを求める。

 ただし、与党法案は、対象を外国出身者、なかでも「適法に居住するもの」に保護の対象を限定しており、非正規滞在者への差別的言動にお墨付を与える点は、人種差別撤廃条約に違反するものであり、私たちはとうてい認めることはできない。
 その削除を不可欠とした上で、人種差別撤廃条約の理念に基づく実効性ある法にするため、最低限、下記の是正を求める。

1. 法目的に「人種差別撤廃条約の理念」との文言をいれる。
2. 差別的言動の禁止条項をいれる。
3. 「差別的言動」の定義については、
  ・対象を、条約の文言通り「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身」にする。
  ・「著しく侮蔑する」場合も含める。
  ・「地域社会」からの排除に限定せず、「社会」からの排除にする。
4. 地方公共団体の責務を、努力義務ではなく、国と同じ責務とする。
5. 定期的な差別の実態調査を行う。
6. 被害者の意見を聴く条項をいれる。
7.インターネット対策を入れる。
8.人種差別撤廃教育の対象として、公務員、特に警察を明記する。
9.差別撤廃の取り組みを検証し推進する審議会を設置する。

 私たちは日本に住み暮らすすべての人びとの総意として、上記の点を踏まえたヘイトスピーチ対策法を実現するよう、立法府に求める。

2016年4月19日
「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」院内集会 参加者一同

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