「人権かわさきイニシアチブ」(案)へのパブリックコメント。25日まで(Eメール)。

川崎市人権施策推進基本計画「人権かわさきイニシアチブ」(案)の策定にかかるパブリックコメントの実施について
http://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/250/0000062963.html

 神奈川県川崎市が、2007年に策定した「川崎市人権施策推進基本計画」の改定(案)として、「人権かわさきイニシアチブ」(案)を取りまとめています。その「人権かわさきイニシアチブ」(案)に対するパブリックコメントを募集しています。このイニシアチブ(案)の計画期間は、2015年度~2025年度までです。
 パブリックコメントは、メールフォーム(Eメール)から送る事ができますが、25日が締め切りです。

●「人権かわさきイニシアチブ」(案)について

 「I 前文」の中で、「国際人権規約」や「人種差別撤廃条約」をあげ、「条約ごとに設置された委員会や国連総会・人権理事会などを通じて、その実施状況を国際的に監視されるようになっています」とあり、「Ⅱ 川崎市における人権をとりまく状況」の「1 国際的な取組」でも、「国際人権規約をはじめとする国際人権諸条約はそれぞれ委員会(条約機関)への報告制度があり、日本政府に対してさまざまな勧告が行われています。」と書かれています。ですが(案)の中では、人種差別撤廃委員会などから、ヘイトスピーチ・デモや朝鮮学校への補助金打ち切りについて勧告が出されている事には触れていません。

 「3 川崎市におけるこれまでの取組と課題」の「(2)今後の課題」の中で、「ヘイトスピーチなどの外国人排斥」という文言が出てきます。

経済のグローバル化等が急速に進展し、社会経済システムが大きく変化するとともに、地域における連携・連帯が希薄化してきていることから、市民の生活や地域の安全が脅かされ、一人ひとりの人権が守られにくい状況も生まれています。例えば、地域社会のなかで連携がとれず、不安感を増すことが「自己防御」の強く働く要因となります。また、そのような風潮が児童虐待をはじめ、ヘイトスピーチなどの外国人排斥、ホームレス(野宿生活者)差別などの人権侵害を引き起こす遠因にもなっているという指摘もされています。

 この一文からは、川崎市内でヘイトスピーチ・デモが、これまで何度も行われている状況に対して取り組みが弱いと感じられます。

 京都の朝鮮学校襲撃事件の判決が確定した現在、ヘイトスピーチだけでなく民族教育についても、「川崎市子どもの権利に関する条例」第16条も参照しつつ、その権利が守られ侵害される事のないものにしていく必要があると思います。 国連からこれまで出されている他の人権勧告についても、この改定案に同様に反映して、権利の確立をしていく必要があると思います。

[参考]

●人種差別撤廃委員会日本審査の総括所見の日本語版(仮訳)
http://imadr.net/cerd-japanese/

ヘイト・スピーチとヘイト・クライム
11.委員会は、締約国における、外国人やマイノリ ティ、とりわけコリアンに対する人種主義的デモや集会を組織する右翼運動もしくは右翼集団による切迫した暴力への煽動を含むヘイト・スピーチのまん延の報告について懸念を表明する。委員会はまた、公人や政治家によるヘイト・スピーチや憎悪の煽動となる発言の報告を懸念する。委員会はさらに、集会の場やインターネットを含むメディアにおけるヘイト・スピーチの広がりと人種主義的暴力や憎悪の煽動に懸念を表明する。また、委員会は、そのような行為が締約国によって必ずしも適切に捜査や起訴されていないことを懸念する。(第4条)

人種主義的ヘイト・スピーチとの闘いに関する一般的勧告35(2013 年)を思い起こし、委員会は人種主義的スピーチを監視し闘うための措置が抗議の表明を抑制する口実として使われてはならないことを想起する。しかしながら、委員会は締約国に、人種主義的ヘイト・スピーチおよびヘイト・クライムからの防御の必要のある被害をうけやすい立場にある集団の権利を守ることの重要性を思い起こすよう促す。したがって、委員会は、以下の適切な措置を取るよう勧告する:

(a) 集会における憎悪および人種主義の表明並びに人種主義的暴力と憎悪の扇動に断固として取り組むこと、
(b) インターネットを含むメディアにおけるヘイト・スピーチと闘うための適切な手段を取ること、
(c) そうした行動に責任のある民間の個人並びに団体を捜査し、適切な場合は起訴すること、
(d) ヘイト・スピーチおよび憎悪扇動を流布する公人および政治家に対する適切な制裁を追求すること、そして、
(e) 人種差別につながる偏見と闘い、異なる国籍、人種あるいは民族の諸集団の間での理解、寛容そして友好を促進するために、人種主義的ヘイト・スピーチの根本的原因に取り組み、教授、教育、文化そして情報の方策を強化すること。

朝鮮学校
19.委員会は、朝鮮を起源とする子どもたちの下記を含む教育権を妨げる法規定および政府による行為について懸念する。

(a)「高校授業料就学支援金」制度からの朝鮮学校の除外
(b)朝鮮学校へ支給される地方政府による補助金の凍結もしくは継続的な縮減(第2 条と第5 条)

市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30(2004 年)を想起し、委員会は、締約国が教育機会の提供において差別がないこと、締約国の領域内に居住する子どもが学校への入学において障壁に直面しないことを確保する前回総括所見パラグラフ22 に含まれた勧告を繰り返す。委員会は、朝鮮学校への補助金支給を再開するか、もしくは維持するよう、締約国が地方政府に勧めることと同時に、締約国がその見解を修正し、適切な方法により、朝鮮学校が「高校授業料就学支援金」制度の恩恵を受けられるよう奨励する。委員会は、締約国がユネスコの教育差別禁止条約(1960 年)への加入を検討するよう勧告する。

自由権規約日本審査の総括所見(日本語版)
http://www.ccprcentre.org/doc/2014/08/CCPR-conclu.pdf

京都朝鮮学校襲撃事件・大阪高裁判決
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/7e81a3afc7dce2827aeda19a7be2553e

●川崎市子どもの権利に関する条例
http://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/60-2-1-1-0-0-0-0-0-0.html

(個別の必要に応じて支援を受ける権利)

第16条 子どもは,その置かれた状況に応じ,子どもにとって必要な支援を受けることができる。そのためには,主として次に掲げる権利が保障されなければならない。

(1)子ども又はその家族の国籍,民族,性別,言語,宗教,出身,財産,障害その他の置かれている状況を原因又は理由とした差別及び不利益を受けないこと。
(2)前号の置かれている状況の違いが認められ,尊重される中で共生できること。
(3)障害のある子どもが,尊厳を持ち,自立し,かつ,社会への積極的な参加が図られること。
(4)国籍,民族,言語等において少数の立場の子どもが,自分の文化等を享受し,学習し,又は表現することが尊重されること。
(5)子どもが置かれている状況に応じ,子どもに必要な情報の入手の方法,意見の表明の方法,参加の手法等に工夫及び配慮がなされること。

●「川崎市人権施策推進基本計画」(現行)
http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000016652.html

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